研究課題情報

研究課題番号

日本の研究.com 研究課題ID 日本の研究.com : 107376

厚生労働科学研究費補助金 : 201239006A

研究期間 2011年度 ~ 2013年度
(平成23年度 ~ 平成25年度)
事業区分
事業分野

研究費情報

年度 年度総額
2011 162,163,000 円
2012 95,239,000 円
総額
257,402,000 円

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肺癌は、年々増加の一途をたどっており、手術適用にならない患者も多くみられ、手術が施行された患者においても、手術後、多くの患者が再発し、死に至る代表的な難治癌であり、肺癌の治療成績の向上が国民から切望されている。このような状況において、既存の治療法とはその作用機序の異なる免疫療法への期待が高まっている。本研究は、難治がんの一つである肺癌の術後補助療法としてのWT1ペプチドワクチン療法のfeasibility、有用性をランダム化第1/2相試験で評価するとともに、臨床第3相試験(治験)の実施可能性を検討することを目的とする。

【研究形式】盲検的ランダム化第1・2相臨床試験。主評価項目は、第1相は有害事象発生割合(安全性)、第2相で2年無再発生存割合【対象症例】患者選択規準のうち主なものは、次の通り。1)脈管侵襲を伴う病理病期1A期および1B/2期非小細胞肺癌、2)病理学的に完全切除が確認されている、6)HLA-A*2402を有する、7)肺癌細胞におけるWT1の発現【症例登録とランダム割付】症例登録はデータセンターでの中央登録方式とする。「A群:WT1ペプチドワクチン群」と「B群:プラセボ群」に1:1でランダムに割付けられる。【治療内容】治療法は、「A群:WT1ペプチドワクチン群」と「B群:プラセボ対象群」の2群でいずれも治療期間は1年間とする。WT1ペプチドワクチンは、HLA-A*2402用WT1ペプチドワクチン(WT4869)である。

I. 治験のための標準作業手順書(SOP)の作製1.免疫組織化学法によるWT1タンパクの発現判定のための標準作業手順の作製大阪大学大学院医学系研究科機能診断科学講座免疫造血制御研究室にてWT1免疫染色を行う。同施設ではこれまでにWT1ペプチドワクチンによる固形癌に対する免疫療法の臨床試験において1700例以上のWT1タンパク発現判定を行ってきた実績を有する。検査のバリデーションは内部精度管理による。さらに、現在、同施設で施行される染色・判定法をもとにしてWT1タンパク免疫染色の国際標準化プロジェクトが進行中である。H23年度は治験に対応するため標準作業手順書(SOP)を作成した。WT1発現判定にあたっては判定の客観性を担保するために施設外部の病理医による判定を行う。2.治験薬供給についての標準作業手順の作成当初大阪大学で治験薬調整と配送を予定していたため以下の準備を行った。(1)機械法による薬剤調剤法の確立(2)調剤の管理と調剤後安定性の管理(3)配送体制の確立その後、PMDA及び製薬企業との協議の結果、開発中のWT1ペプチドワクチン製剤(WT4869)を提供されることになった。提供されたWT4869の保管ならびに試験参加施設への配送手続きについてはファイブリングス社に委託した。ファイブリングス社から試験参加施設への治験薬配送について宅急便配送業者および治験薬配送業者に面談を行なった。その結果、宅急便での配送は、規制に合致し、配送時の温度管理も十分であることが判明した。業者としては、信頼度の高い日本通運に依頼した。宅急便配送時の温度管理については業者にて保証されるが、さらに配送時の温度管理を徹底するために温度ロガーをボックスごとに備え、温度記録を行うこととした。II. 肺癌術後補助療法としてWT1ペプチドワクチンの適応に関する研究1. WT1ペプチドなどの癌ワクチンに対して上皮間葉転換EMTがその効果に関与する可能性があり、EMTメカニズムを追求・制御することで、WT1ペプチドワクチンの効果を高めることが期待できる。2. 胸膜浸潤は、病理病期IA期でも高再発予後因子であり、また胸膜浸潤陽性IA期NSCLCは、IB期と同等に再発しやすい。今後、3cm以下の腫瘍径であっても胸膜浸潤陽性I期の非小細胞肺癌にはWT1ペプチドワクチンなどによる術後補助療法の介入、確立が期待される。3.早期肺癌において脈管浸潤と分化度は、腫瘍径を超える予後への影響があるため、これらの因子を有する症例に対するWT1ペプチドワクチンなどの、効果的な術後補助化学療法の導入は早期肺癌の予後改善に重要であると考えられた。数々の手続きを踏む必要があったため、治験の実施までに長時間を要したが、6月3日から1例目の治験を開始することができることになった。今後は、早急に第Ⅰ相部分の治験を終了し、第Ⅱ相部分に治験に進みたい。

WT1ペプチドワクチンの医師主導治験に必要な膨大な準備が整い、近似か、医師主導治験を開始することができるようになった。